指先に沁みる脈拍/ふじりゅう
 
窓辺からうっすら広がる
砂利道けもの道は 僕の投影
幕のかかったレンズフレアは
誰も救う力を持たない
豊かな想像力が
本当の肉体を置き去りにしていた
たった今から君の無数のショットが
散り散りの灰に変わる

いちごを摘んで大切にしていたら
どうせ腐るのに
なお、歩き回ったら
出来損ないのシャーベットになる
君の小指に感じる
僅かな脈拍があれば生きていけただろうに
ふたり シャワーから飛び出した水
僕もたぶん どこかの誰かを
運命の人だとうそぶいていくだろう

モーターを手動でずっと回していた
それは電源のない、享受されない鉄の塊
急ぎすぎた蝿が羽を失い

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