指先に沁みる脈拍/ふじりゅう
 

無残な生き物の残骸になる
ぺちゃくちゃお話する君を
ひねり潰したいほどの愛が
凪に佇む船に差し込む
太平洋の南風

恐らく見知らぬ馬の骨に
運命の人だと嘘をつく仕草に
瞬きが加速するふたりの癖が
垣間見えるかもしれない
そこに 中央公園で受送信した
当時の鼓動は欠片もない
窓辺からうっすら広がる砂利の味を
知らないから只今から覚える
シャワーから別れた水滴の
徐々に そして加速度的に下がる水温を
間近に受信していた
ただ痛切に 受信していた

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