Stray Cat Blues/ホロウ・シカエルボク
 
方に見る夢の色味は
目覚めきるころにはどこかへ消えちまう
糖臭い息を吐きながら無駄に鮮やかな
よく出来た嘘みたいな世界を眺めているばかり
歩き過ぎた脚の痛みで自分の名前を思い出す
そんな夏がいつかあんたにもあったはず
訳知り顔は世界一マヌケさ
サーフィンの歌なんか似合わなかった
ダミ声のパンク・ロックが
耳の中でただただリピートされていただけさ
交通標語みたいな人生は好きになれなかった、ただそれだけのことで
駅前のホテルから飛び降りた男が居た、二十代の…
それすらステレオタイプだってことに
きっと最期まで気づけなかったんだろう
懸命な混沌の終焉は
五行の記事に記された
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