Stray Cat Blues/ホロウ・シカエルボク
頃のチャートみたいな気の抜けた歌を口ずさんで
瀕死の羊のような雲が流れていくのを見ていた
定点カメラの模倣みたいな日々
なにを見ても自分を探していた
目覚まし時計のアラームは壊れていて
時々真夜中に騒いではおれを辟易させた
スマートフォンで起きる方が楽なんだけど
手のひらに確かな感触が欲しくて使い続けていた
ニュースは不正を暴き
コメンテイターはまるで気高い人間のように
いちいちに持論を垂れ流していた
どれだけの知識を得ても
道化を演じさせられていることには気がついていない
テレビは見ない方がマシ
出来ればSNSも
火葬場を思い起こさせる
夏の夜の寝床で
明け方に
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