詩と散文のはざま/こたきひろし
たてたりはしなかった。
生徒達の間にもそれはいつの間にか暗黙の了解となって見て見ぬふりをされていた。
果たしてその発作のスイッチを何者が押すのか、又は先生自信が押すのからわからない。
それが始まると、教科書の英語文を読んでいる途中でも、いきなりその言動と行動が「宇宙人」になってしまった。教科書を床に落として踏んだり意味不明な事を言い出して、あげくの果てには教室から出て行きいなくなってしまうのだ。
生徒達は発作が始まって教室から出て行くまでの間はじっと無言を貫くが、居なくなると申し合わせたようにいっせいに歓声をあげて、それから教室内を自由に動き回るのだが、しばらくすると何事もなかったよう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)