ケロイドのような思春期を纏って/ホロウ・シカエルボク
う―梅雨時の湿気は容赦なくまとわりついて来る、縦長の俺の家ではエアコンの恩恵はかろうじて感じることが出来るくらいだ、だけどそれぐらいの環境でないと、体温は正常ではいられない、判るだろう?アンテナを意識することだ、受信している情報がひとつだけだなんて考えないことだよ、一局しか受信しないラジオなんて見たことあるかい?俺が言ってるのはそういうことさ…ヘリのローターのようなアイドリングをしているバイク、あれはそこそこ大きいやつだろう、アクセルを吹かせば走り出せる、でも、それはやつがそういうシステムを構築されているせいだ、俺たちはアクセルを持つべきではない、あるいはアクセルがあることを過信してはならない、ス
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