ケロイドのような思春期を纏って/ホロウ・シカエルボク
がったりしてしまう、比較対象がないので変形に気づけない、そんな誤差を抱え続けたまま生きたものの真実は肥大し過ぎた宗教団体が唱えるお題目のようなものになってしまう、祈りに指針を設けてはならない、真っ直ぐ進もうと意識すれば、足取りは乱れてしまうものだ―思考は行動を補佐するものだ、思考から先に動いてしまっては本末転倒というものだ、頭でっかちというのはそういうことだ、歩き続けた先でたまに居所を確認するための地図のようなものだ、もっとも、それにはマーカーなど記されてはいないし、新しく記すことも出来ないけれども…白紙のページが静かに降り積もり続けるような時間だ、新雪に埋もれるように俺はそこに横たわっている、生
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