ひまわりになったよ/ふじりゅう
ターに
さいごの体液が残っているよ
どんぐりをポッケに集めて取り出して並べて嬉しそうだった
枯葉をばさばさ鳴らしながらわたしもいた
真っ白な紙に 無言で描かれた油絵
まこときれいなきみの油絵に つま先が震えた
理想のきみもまた 秋の、暮れなずむ
誰にも描写されない
一輪のひまわりニコニコと
太陽と見つめあっていた
ちぎって捨てた
どこかへ 笑われながら消えたきみ
晴天仰げば まだあの時のきみ
自我の花びらを摘み取って
秋風に乗せてどこまでも
まだほほえみの向こう側を知らない
ぽかぽか日向ぼっこばかりしてたきみ
目を開けるとわたしはひまわりになっていて
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