小学生日記「下から燃える」/瓜田タカヤ
 
い。

緊張は極限に達する。しかしオレはそう言う時、逆に冷静になれるという
妙な癖というか、自己暗示的な性格を持っていた。
全てのスイッチを切り、もう一人のオレがジョイスティックで
操作するかのように、スムーズに動くのだ!

その時のオレは多分、小学生生活の中で一番冷静だっただろう!
まるでオレは任務を遂行する子供スパイだ。
リチャード・キール(007の歯が金属の男)に襲われてもオレは
咄嗟の判断力で、彼の歯をかいくぐりベッドで待っている美女の前に現れ
「ワインを選ぶのに手間取ってね!」などど小じゃれたジョークを言ったり、
もしくは「君は美女だから、ビジョビジョ!」と3回冷
[次のページ]
戻る   Point(10)