旧作アーカイブ4(二〇一六年三月)/石村
 
はもう消えてゐた。


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ああ ほんたうに 僕は馬鹿なのだらう

堕ちて行つたあの日
君のかなしげな眼差しが
遠くへと かすんで行き
やがて消え そして僕は
ここにきた

人の世といふ 眠りの世界に


  ?

あれは いつのことだつたか?

しづけき夕べに 心まどかに
君はそこにゐて 僕もそこにゐた
それは 幸せな時だつたが……

それでも季節はめぐり 暮れ残る空はかはりなく美しい
まどろみの世界の中で ひとびとは生き 僕も生きる

そして時に夕べに響く君の声だけが 僕を僕にかへしてくれるだらう


{引用=(二〇一六年三月六
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