旧作アーカイブ4(二〇一六年三月)/石村
 
(二〇一六年三月二十一日)




  不思議なひと


春の陽ざしに清かにふれて
ほんのり風とたはむれる
あなたは不思議なひと

どこから来たのか知らないけれど
私のこころをさらつていつた
あなたは不思議なひと

見上げる雲は 山の向かうにぼんやり青く
私の想ひは うつすら流れて
気流といつしよに 西へと向ふ

あなたの横顔はあどけなく
ただよふ私の想ひを 目で追ふらしい

しづかな日だなあ
たんぽぽたちが 愉しげにそよ風に揺れてるだけで

いつから 言葉なんておぼえたんだらう
あこがれも かなしみも 胸にしみる想ひも
声にしてみる
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