新しいタイプの地獄/ふじりゅう
 
そう、もう理解したかもしれないが
飲みきるしかないんだ。
茶を、飲みきるしかないんだ。
この茶、第一印象は悪くなかった。
別段美味くはなかったが、不味い味ではなかった。
今もそれは変わらないんだけど、
例えるなら毎日欠かさず、
こんにゃくを食べ続けるような感覚だ。
悪くないと考えた自分が腹立たしい。

いや、何より腹立たしいのはこの男だ。

なんで突っ立ってる?
こいつ何考えている?
どう考えてもおかしい。
仮に、(謎の理由で)俺のお世話係に任命されたとしよう。
だとしても、まず「無言で」これを配り、
「無言で」俺の隣に「立ち尽くす」ことがそもそもおかしい。

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