新しいタイプの地獄/ふじりゅう
 

そしてこの顔だ。
なんだこの表情?
彼を、まるでロボットだ、とは例えられない。
なぜなら、一挙手一投足に僅かに人間らしさが残っており、
その温度を如実に感じるのだ。
温度を如実に感じるんだ。
ただっ広い雲の上で
この男と ふたりきりの
気まずいったらありゃしない時間から
開放されるのはいつも
茶を飲み干した時だから
ひとくち。温度はぬるめ。
ぬるめと聞くと飲みやすそうだってのは
トーシロの考え。この茶、
まるで片栗粉を溶かしたようにぬめり気があり、
それでいて何とも表現し難い独特の味に耐えられないから、
一気になど飲めたものじゃない。

ふたくち。みくち。ゆう
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