新しいタイプの地獄/ふじりゅう
 
なんて名前も適当に考えたもので、
本当の名称など知る由もない。
男は、無表情に微笑んだ口を貼り付けたような
気持ち悪い顔のまま
無造作でもなく、丁寧でもないような
中途半端な仕草でトレイを置き、
コポコポとカップに例の茶を注ぐ。
言っとくけど、ここまで終始無言だ。
ちなみに机はクリーム色の、西洋風円卓だ。
椅子は固く、座り心地が悪そうなのに
特に苦しく感じたことは無い。

茶はカップの中でマジで微動だにせず、
ついでに男も微動だにしない。
手を前に組んだまま、どこか遠くを見ているのか、
謎の妄想でもしているのか、
なんか、そんな感じの表情で突っ立っている。
そう
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