手花火や照らす横顔初化粧/ふじりゅう
 
を組んで
薄く広がった雲に紛れる
繰り返される同じようなドラマの
なんとあまやかな 野鳥の音

ゆっくりも、
して、
いられない、
押し迫る、
火の雫、
玉の汗拭う、
いつの間にか
クローズアップされた、
土の粒。
さっと入り乱れて、
熱気を拭う風甘く、
また一歩夜空は、
雲は、
近づく、

なにか、ないか、
なんてさがしては探し物掻き消え
火の粉をまぶし 消えた線香花火
バケツからさよならの手紙が鳴った
臓器から捻じ出した言葉は「終わっちゃったね」
どうすれば好きに変わるのですか
瞳を見交わしたい願いは彼方
うすぼけた月やけに眩しい


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