旧作アーカイブ3(二〇一六年二月)/石村
 
そは心のままなるのみ ――

高く駆けよ
ひと筋に翔べ
直き青き光の子らよ

つよく降ろせ この清かなる群青の火を
きけ 幼き天地(あめつち)の 霞立つ息吹を


(二〇一六年二月十四日)




  春の雨のスケツチ


心の中に
雨が降る
うす紫の
雨が降る

まどかな滴は
かろく淡い
ほのほの甘い
しづかに落ちて
ぽつと弾けて
うすれて消えて――

パラソルさして そこを行くのは あの子の姿だ
優しい笑顔で しめやかな歩みで
春の野を どこへとさして 
歩いて行くやら――そんなこと私が知るもんか
ただしあは
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