生き続けろ、ひとつの言葉がひとつのことだけを語っているわけじゃない/ホロウ・シカエルボク
うな極端な抑揚、ノイズが欲しいな、空になったマグカップの中にそんな呟きを落として、ボロボロの歯を労わるようにブラシを当てた、一昨日の抜歯の跡には未だ微かな違和感…眠るための挨拶は短いさよなら、暖かい夜でも用意したばかりの寝床は冷たい、注意しておくんだよ、夢を見過ぎた朝には目覚めた瞬間こそが嘘に思えるものだ…人を殺す夢をよく見る、あらゆる種類の手段で―その瞬間に力を失くしていく肉塊の感触がたまらなく好きだ、おっと…勘違いするなよ、これは現実の感覚ではなく、そして現実の願望でももちろんない、ただ、そんな夢を見ることがあるっていうだけの話だ―積まれたコミックと崩れ落ちた小説、彼らが俺の中に埋め込んだ種が
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