生き続けろ、ひとつの言葉がひとつのことだけを語っているわけじゃない/ホロウ・シカエルボク
うこともある―非通知の着信を三度無視して、眠るための準備をするのにいまがどれだけ適当かということについて考える、答えは出ない―そういう問題についてはまともな答えが出たためしがない…きっと、そんな風に考えてしまう時点でそれは適当ではないのだろう、ボーカリストはマイクから少し離れたところで歌っている、不味い入れ方をしたインスタントコーヒー、今日を葬るにはそんなものの方が良い、熱いうちに流し込む、焼け焦げていく消化器官…どこかの部屋から聞こえる異国のドラマの性急な台詞回し―異なるリズムは噛み合わないってたいていの人間は考えてしまうけれど…風が年老いた壁を叩いている、インプロヴィゼイション・ジャズのような
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