生き続けろ、ひとつの言葉がひとつのことだけを語っているわけじゃない/ホロウ・シカエルボク
 
るわけは…ハンドルを握り続けたロック・ワグラムの焦燥、駆け抜けてきた背後の砂漠を舞う砂煙は、きっと、人生そのもののように思えたに違いない、スラップするベース、死後硬直のようなプログラムされたリズム―色のない月は欲望を飲み込んでいく、女は呆けた顔をしてそれを見上げている、青い夜、いつか誰かが形容したそんな言葉が脳裏に浮かぶ、失われたアドレスにアクセスし続けるのはやめた方がいい、その先にあるコンタクトは惨酷なほど冷たいに違いない…毛足の長いカーペットのなかに隠れた落とした錠剤、化石のように変化していく、薄っぺらい液晶テレビの画面の中では連行されていく誰かの伏し目がちな様子、罪はたまたま罪だったというこ
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