オルタネイト・ピッキングの幻想/ホロウ・シカエルボク
 
の雨垂れを眺める、もう止んだのだろうか、光が少し強くなった気がする、でも例えば窓を開けて、それを確かめるようなことはしない、それがどちらかなんていまの俺にはまるで関係がないことだ、ふと、天井の雨漏りの原因を確かめてみようかなんていう気になって、ストールを持ち出して雨漏りのする辺りを押してみる、長いことそれは続いていたのか、すっかり脆くなっていた、泣き言のような音を立てながらそれは少しずつ床に降りそそいだ、そうして…ほんの少し明かりが差し込んだ天井裏には、頭蓋骨がひとつ転がっていた、誰かが天井裏に忍び込んで、そこで尽き果てたのだろうか、俺にはなぜかそうとは思えなかった、だとしてもそんなことで死んだ理
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