オルタネイト・ピッキングの幻想/ホロウ・シカエルボク
訪れる今週、人々は傘と良くない遊びの予定を次々と持ち替えながら、いつかは希望だったそれを街路の片隅に嘔吐してゆく、悲しい…あまりにも悲しい慰安の光景だ、間抜け過ぎて笑う気にもならない―誰かがずっとポエトリーリーディングを繰り返している、ただのリズムになりたがっているような性急な言葉遊びからは、いつしか血痰が絡む音が混じり始める、おお、誰某ともわからないあいつは今初めて詩になろうとしているのだ、木の幹に齧りついた幼虫が生命力のほとんどをつぎ込んで脱皮を目論むかのように…痛みや、苦しみや、悲しみがなければ、喜びも訪れない、逆もまた然りだ、どちらかを取ろうとするやつらが多過ぎる、その境界線すらどこなのか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)