ミライ/後期
ミライ
彼女の部屋には小さいベランダがある
そこに大きな室外機がどんとある
猫の額に、犬が座っているようなものだ
そんな余白の無い欄外で
ぼくは、タバコをすいたい
この前の夜は、窓を開けて
身を乗り出して、すった
雨が降り出していた
粒が的中して、タバコが消えた
隣で、同じように身を乗り出していた
彼女と笑った
そして、またキスをした
キスでは、おさまらなかったけれど
彼女の舌には、つぶつぶが少ないように
おもわれる
そのつぶつぶっていうのは
乳頭と呼ばれるもので、卑猥な響きが
ある
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