聖堂/ホロウ・シカエルボク
 
明に記録出来るようには作られていない、ノンフィクション・ドラマ、あるいはドキュメンタリー作品のようになにかしらの意図やイズムがあるがままに刻み込まれている、俺の言ってることが分かるか?つまりそれが正常な人間だってことだ…コンビニのビニール袋が眼球を覆っているみたいだ、白く霞んでいて、あちらこちらに視線をやろうとするたびにガサガサと忌々しい音がする、まあいい―こんな呆けた時間に、本当に見たいものなどおそらく見つからないだろう―俺はこれをいつからか「死体」と呼んでいる、すこしの冷静さと多くの苛立ちを込めて…それは一度始まれば時間の感覚がなくなるまで続く、気づいたら二日が経過していたなんてザラだ、なあ―
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