なんなんだろうな/ゆるこ
 
そこへ立ち尽くした。

ふと、頭をよぎる言葉。

今日も、わたし、なにもなかった。

正確には起床し、電車に乗り、仕事へ行き、たわいもない会話を職場の方とし、一人で昼食を摂り、仕事をし、電車に乗り、帰宅し、今に至る。
しかし、わたしの中に残るものは一切ない。
吹き抜けの天井のようにまっさらだ。
身体に六年かけて染み付いた仕事は、わたしに今更なんの感動も与えない。
ただ、ただ、惰性で繰り返す、こころの動かない、ただそれだけの日々。
その日々の中でも、時々花火が上がったように、楽しかったり、悲しかったり、は、ある。
しかし、それは全て花火のように一瞬で消えてしまうのだ。


[次のページ]
戻る   Point(4)