したいのそばに咲くハな 捨て息 それは赤い/狩心
しさに惑わされることもなく
使命だけが横たわる無限の荒野を
氏名を踏み潰しながら無視して純粋に
永遠に距離の縮まらない
地平線を追いかけて
走る
走るのではなく
軽やかに滑っていた
何処の地点にも着床しないように
軽やかに滑り続けた
足の無い腰から生えたスケート靴の
人殺しのような鋭い歯が
何処までも摩擦係数を信じて
軽やかに滑っていった
「
死にすぎた生が死を超えて
生から一番遠い場所で
世界に大きなカイを作ろうとしている
そのカイは
命など
はじめから無かったということ
無が夢を見ている
こう在って欲しいなと
無が夢を見ている
本当は
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