したいのそばに咲くハな 捨て息 それは赤い/狩心
を
勇気だけが足りなかった
いやそうじゃない
下手な優しさを覚えてしまっただけだ
竹やぶは焼けた
竹刀は腰元にある
静かな焼け跡に降り続く灰
竹刀を抜いて 利き手に握り
前傾姿勢で走り続けている
取り囲んでくる木の葉の灰の
人間らしき異形の影を切り払っては
飛び散る灰を浴びて目を瞑り
鎮魂歌
目を開けて
首を傾けて痛み
もぎ取れて進み
首無しライダーとして
走り抜けていく ショウシンの荒野
体はどんどんとよじれ
ドリルのように回転し音速の
光速の一つの流星の如くマシン化し
もはや周囲の風景はすべてぼやけて残像
何も認識できない
そして
心
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