心臓と星/狩心
 

冷たい壁の感触を確かめる手
花開いて消えた 光の瞬きの鼓動は
どこへ行ってしまったんだろう

這いずり回って
水溜まりの上にヘタリ込むわたしは
スカートもストッキングも
ビリビリに破れて
顔を地面に擦り付けて泥水を飲んだ

大丈夫ですかと
若い男が声を掛けてきたので
明日の舞台の為に
演技の練習をしていたんですよと
言い訳の出来ない熟れた体で
にっこりと笑った
口から出ているのは もしかして
蛙の足ですか
そうです 蛇女の役なんですよ
男の顔がひきつった瞬間
女は張り裂けそうなほど異常に発達した筋肉で 男を
バチンと
 磨り潰した

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