飛ぶ夢など見なくてもいい/ホロウ・シカエルボク
 
だ調子を合わせて相槌を打っていればそれだけでいい、そんな会話ばかりが周りには溢れていた、もう何時間歩いているのだろう?私は時計を見た、午前二時二十分だった、もう二時間近くは歩いている、散歩に出ようと思ったのはほんの気まぐれだった、今日は特別眠気がなかったのだ、生活の中に押し込めている自分がいらだち始めたのか、先月くらいから私はあまり眠ることが出来なくなった、始めは苦しんだけれどいまは開き直った、ネットゲームをしたり、本を読んだり…録りだめていたテレビ番組を見たりしていた…それらを一通り済ましてしまうと、どうしてこんなことをしているんだと思うようになった、もっとなにか、眠れないなら眠れないときにしか
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