天使の蒼い声をきかせて/秋葉竹
 
てる?」
それだけで私は
笑って生きていけるから。

1人でも生きていけるとほこってたのは、昔、
今はもう寂しい虫になってしまった。

雨のなか傘もささずに出て行き、
自転車で駆け抜ける
女の子の吐く息 白く
ゴジラのまねなんかして、
ガォ〜
寒くは、ないんだろうか?
元気いっぱいだね?

私は今あなたに逢いたいのに。

夜をゆく、ゴジラの女の子は、なんか清い。
(嫌い、じゃなくて、清い、だよ)


私は、ゴジラの女になるべきなのに、
この部屋を一歩も出ずに、
くっだらない後始末をしながら、
窓からこの街の滅びゆくさまを見ている。


雨が
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