陽炎/ホロウ・シカエルボク
いだった、とはいえ、遊びにしてはきみはすこし躍起になり過ぎたかもしれない、数時間、いや数十分だけでも眠っておくべきだった、きみの今日の予定は、あと一時間もすれば起き出して出かけ、地下鉄に乗って仕事場に行かなければならなかった、休んでしまおうか、と、ぼんやりした頭できみは考える、きみの仕事場はそのことについてあまり煩いことは言わない、良くも悪くものんびりとしたところなのだ、必死になって何かを売ったり、サービスを提供したりするような仕事じゃない、だれかひとりぐらい休んでいることなんかザラだったし、だれかが休んでいることで支障が出るようなこともこれまでに一度もなかった、やることがないわけではない、でもそ
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