平等でない/寒雪
 
た時間ではなかっただろう。
ようやく待ちわびた男の声が聞こえた。
「先に進むがよい」。
またまたドームの壁面に現れたドアを潜り僕は先に進んだ。
すると今度はどこかは分からないけど、かなり大きなビルの屋上が眼前に広がっていた。
今度は誰かを突き落とすのだろうか。
漠然としたイメージが頭を過る。
くだらない、と頭を振る僕にまたあの男の声が響く。
「最後の2択だ。これから現れる生き物をビルの屋上から突き落とせば、生き物は落下して地面に叩きつけられて死ぬだろう、
そうすればお前は助かる。
嫌なら落とさなければよい。
しなければお前が代わりに落下して砕け散るのだ」。
声と同時に屋上の
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