平等でない/寒雪
 
な男の声に逆らえず、僕はドアを開けて部屋を出る。
すると今度は半径10メートルほどの円型をしたドームを模した部屋に立っていた。
先程の部屋と同じように白く塗装された壁面の中には誰もいない。
またなにかが現れるのだろうか、と思った瞬間、目の前にアクリルのような透明な外壁で密閉された容器に同じように腕を縛られた20代の女性が閉じ込めれていた。
やはりその後に続くのはあの、聞いていて鬱陶しくなる、あの低い男の声だ。
「今から2択を選ぶのだ。ボタンを押せばこの女の入った容器は水に満たされていって、やがて窒息してしまうだろう。
そうすればお前は助かる。
嫌ならボタンを押さなければよい。
押さ
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