小舟までの距離感/瓜田タカヤ
ったりした。
中でも良く思い出すのは、中学校の時のことだ。
俺のオヤジが 俺が小学校の時、母と離婚し、中学校に俺が入るまで
母は心臓の病気で仙台の病院に入院していると言っていた。
ある日俺が中学校に入学して何日かたったとき、俺と妹を居間に呼び
「本当はお母さんとパパは離婚したんだ」と言ったことがあった。
俺と妹は本当は薄々感づいてはいたのだが、オヤジが入院したと言っていたので
それを信じることにしていた。のだがその時始めて、親父の口から離婚という
言葉を聞いて、結構へこんだ事があった。
それは俺にとって始めての「愛の否定」を感じたイベントだった。
愛の真実感は現実と
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)