小舟までの距離感/瓜田タカヤ
る。合浦公園という。
小、中学校時代よくこの公園で遊んだ。
遅い5月の春は花見があり、イチゴ飴をたべたり、病気持ちの鯉を釣ったり
怪しい見世物小屋で、蛇女を見たり、お化け屋敷で始めて女の子と
手をつないだりした。女の汗の匂いは、お化け屋敷内に染み込んだ
お化け達のドーランの匂いがした。
夏は海水浴をした。テトラポットの誰も泳がない側では
ウニやカラスガイがとれるので、みんなでそれを取って食べたりした。
俺は泳げないので、浮輪を使っていた。
みんな浮輪を奪い取ろうとしてくるので
俺は笑わせた、何か適当な事を喋って、笑わせて
俺の浮き輪を強奪する行為を止めようと試みていた
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