小舟までの距離感/瓜田タカヤ
いたのだ。
俺にとっては命がけの魔法を唱えていたつもりだった。
秋は展示されているSL機関車で待ち合わせをして、隠れんぼや
忍者ゴッコをする。エビショウと言う友達がいて、彼は忍者ゴッコの時、
草陰にずっと隠れていて、俺が横を通りがかった瞬間、
すごいジャンプ力で引っ込むナイフ片手に襲いかかってきたりした。
その時の彼の体勢が十字架のようで、
そのまま関節を曲げずに無表情で、
俺の目の前に飛び込んできたのを覚えている。
冬は雪祭りで、建設中の雪の迷路に真夜中忍び込み、
鬼ごっこをしたりした。
それは秋のことだった。6年2組の悪ガキ達で海で遊んでいた。
みん
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