静寂がまた暗い口を開ける/ホロウ・シカエルボク
 
ったのが幸いと言えば幸いだったのか―とにかく捜査が始められ、公園の周辺でたくさんの刑事、警官が証拠や証言を求めてさまよったが、大した効果は得られなかった、そもそもその公園自体街の外れにあり、周辺に商業施設もなければ飲食をするような場所もないので、そういったものにすでに関心のなくなった老人たち以外にはろくに訪れることもないようなものだった、それだから真夜中に人目を忍んで濃密なデートを重ねる若者が居たところで、また、そんな連中を八つ裂きにするような異常者が現れたところで誰かがそれを目撃した可能性はゼロに等しかった、懸命な捜査にも関わらず月日だけがいたずらに流れていった、冬が二週目に入る頃にはあれほどセ
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