ロボウティー「天動説の子ども」について/田代深子
しうる作品であっても、言葉のリズムを軽視しているならば読むことすら困難だし、なくてもいい韻を踏めば稚拙というより安直に陥ってしまうのだということを、作者に強く意識しておいてほしい。
少し内容に接する部分の問題として、モチーフの扱い、そのつながりの悪さについても指摘しておく。
天動説/地動説 魚 箱船 骨 肺呼吸 走る/泳ぐ 自然/不自然
いずれもいささかずつ関連していることは読みとれる。だが有機的にはつながっていない。これはリズムの問題とも関わっていて、よいリズムで読めば、およそつながりそうもないモチーフが理屈抜きにちりばめられた場所で光ってくるものだ。この作品に
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