ウサギ狩り/山人
 
かい足や手を痙攣させている
近づくと目を見開き、事切れたウサギが雪面に横たわっている
溜息を一つ雪の上に落とす
腹の毛を少し毟る、ナイフを付き立て腹の皮を裂く
温かい臓物が顔を出す
胃袋をしっかりと掌で掴み、腸もろとも雪の上に放り投げる
横隔膜を指で破り、肺に溜まった血を雪の上に撒く
黒く固まりかけた血が雪の上に散らばる
ウサギの腹を雪の上に腹ばいにさせ、しばらく休む
ウサギの命は奪われ、俺は救われた
継続していた緊張感は元に戻り、静かなだけの風景が再び訪れる
ゲームはリセットされたのだ

サクッサクッと雪山をカンジキで歩く
殺されたウサギの死骸の暖かさを背中に感じる
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