Airport/宮木理人
穏やかに、そして未だに君のカップは着陸できないまま、なにかトラブルでも発生したかのように、テーブルの上をしばらく旋回しながら、そして結局はテーブルに置かれることのないまま、全てを飲み干してしまった。
ぞろぞろと降りていく客たちは、ぐるぐると回るベルトコンアーの前で、がらがらと出てくるそれぞれの荷物たちをじろじろと眺め、先ほど火を吹いた客室乗務員は、灯油の量が基準よりもオーバーしていたらしく、機内を降ろされ爆弾処理班に降格させられた。
そして、自分の荷物が最後まで出てくることがなかった客は、その爆弾処理班が処理できなかった爆弾の処理班に任命されている。自分の荷物を真っすぐに受け取れた人物
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