NOBUKO/吉岡孝次
 
。」
嘘ばっかり
「じゃあ、発端さえ与えられれば、あとは自動的に自己展開していくのかい。」
「そうじゃないんだ。今の状況を縮約したところから生まれる原型というものがあるだろう。そういう、混沌からの飛躍が欲しいんだ。」
「今度は、ベルグソンか。」
NOBUKOさん 目の前の海を見て下さい
「つまりきみはぼくに卵を産ませたいんだろ。でも 飲み込んだのはきみなんだし、この島に来ることを決めたのもきみだ。そもそもこの九州の空の下で・・・」
あなたを黙らせるには口を丸く重ねなければならないのだろうか
僕にも考えることぐらいはできる
だけど生むことは


III
東京 23才の誕生日
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