東京パック /1997-2007/AB(なかほど)
 
めるように
蹲り

僕の港は
ここなんだ

と言い聞かせた}



たとえば

 中野・タンポポ

「さてさて

私がこの農芸化学の道を歩いてこれたのは
花屋のエミちゃんが好きだったからです。」


    正直にゃ 語れないな


「それはまるでタンポポのような、」




たとえば

 文京・お稲荷さん

いつの日かの憧れであった
本郷で道に迷った

しめしめと にたり顔で
坂道
のぼるとお稲荷さん

帰りたい

帰れない

僕の場所でない場所に
帰りたい

もう帰れない




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