体育館横の自転車置き場で
剣道部の練習の声が聞こえてくると
僕は
もう夕焼けを待っているように空を見上げ
商店街の方向へ歩き出す
魚屋の前ではきっと
夕焼けが足りないと
うつ向いてしまうのだろう
ビールと合うのかな
と言ってるそばから
くさい くさい
といいながら
彼女はくさやを千切って
笑って食べた
戻って来た理由も
どうでもいいのかもしれない
僕も
ほんとにくさい
と笑って食べた
君が百本の小説を乗り越え眠るころ
僕は一握の詩の前で童貞のままで
国際色の喧騒にしがみつきながらも
同じ月の夢に
ニャー
と哭く
抱きしめたもの