スタンドアローン/ホロウ・シカエルボク
血を救うしかないモノトーンとフラッシャー
労働者風の男がダイナーで飲んだくれている
目の前のどんなものをも見ていないような目をしている
カウンターのラジオからはまだチンピラみたいだった頃の
ブライアン・アダムスのガナり声が聞こえている
イエロー・キャブから降りてきた女は何事か運転手に言い捨てて
後部座席のドアに強烈な前蹴りを入れた
ハイ・ヒールの形にへこんだそのドアを確認することもなしに
運転手は首を振ってアクセルを踏み込んだ
まだ若い泥棒がフードショップの親仁に首根っこ押さえつけられて
とても文字には起こせないような言葉を叫んでいる
いつか彼が大人に
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