復興/葉leaf
ける。
子どもが一人泣き叫んでいた。辺り一面の荒野で泣き声は途中でかき消された。子どもは人類の誕生から滅亡までずっと泣き叫び続ける。子どもの泣き声は地上のいかなる惨事とも無関係だが、いかなる惨事とも並行する。人類の誕生から滅亡に至るまで途切れなく続く根源的な惨事を泣き叫び続けるのがこの子どもである。人類の誕生とともに、歴史の申し子であるこの子どもは荒野に降り立ち、歴史の根源で惨事を解体し始めた。
国道6号線沿いのコンビニには朝6時になると除染作業員たちを乗せたバスが停まり、作業員たちの買い物でごった返す。体格がよく、髪を染めたり刺青を入れたりしている作業員たちは、鋭い口調で話しながら機
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)