知らないわたしと知ってるわたし/薔薇の人
 

どれだけのことを忘れたならば

わたしはソレを思い出せるのだろう

ソレに対して抱いていた感情は

喜怒哀楽だけではとても足りなくて

不足を思わせない大きなソレは

世界のはじまりのようなもので

それなのに なのに 何故

もし今だに存在しているのならばと

ソレがどこにあるのかも分からないけれど

絶望でもいい

叶うなら希望があればいい

わたしはもう一度ソレを知りたい

考えて 自分探しの旅にでた

そっと静かに瞼をおろし五感のひとつを閉ざす

一面の暗闇に支配される

全身を巡るわたしの中のわたしではないソレを

感覚
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