どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
てみたんだけど、ダメでさ。で、病院行くわけにも行かないからしょうがねえべって俺そのまま帰ったんだよ。」
陽平は自分の意識が遠くなるのを感じた。もしかしたら死ぬかなぁ〜って思っていたんだけど、と、金髪が続けて話すのが聞こえた。
「本当に死んじゃったか。可愛い子だったのになぁ…。」
その瞬間陽平は渾身の力でハンマーを振り下ろした。金髪の側頭部は陥没して、一言も発さずに横倒しになった。陽平はまた気分が悪くなった。でももう吐くものなんてなかった。フラフラと建物を出て行くと、金髪の男の車に乗り込んで猛スピードで飛び出して行った。ほどなく激しいクラッシュの音がして、鳥たちが大騒ぎした。
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