どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
しい金髪が、それでもまだトロンとした目つきで男に微笑んだ。悪酔いしたね、初めはしょうがないよ。そう言いながら金髪は二本目に火をつけようとしていた。男はそれをさっと奪って、それやる前に少し教えてよ、と金髪に言った。金髪は腹を立てる様子もなく、ヘラヘラ笑いながら、なに?と聞き返した。
「あんた以外に、ここのことを知ってる人は居る?」
どうかなぁ、と金髪はのんびりした調子で答えた。
「こんなところだからね。かなり古い建物みたいだし。俺はコレのためによく来るけどね…誰にも会ったことないからな。ご覧の通り辺鄙なところだしね。知ってる人なんかほとんど居ないんじゃないかなぁ?」
のろのろとそんな
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