どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
 
と、彼女は考えた。そうした遊びが一段落して、ぼんやりと窓の外を眺めていると、遠くから車の音が聞こえてきたような気がした。おや、と沙織はそちらの方に目を向けた。それは確かにこの建物に近づいてきていた。誰か来たみたい、と沙織は沙織に話しかけた。ここに誰かがやって来るなんてこれまで一度もなかった。きっと自分に関係があることなのだ。沙織は半ばワクワクしながら車が到着するのを待った。オバケみたいに玄関口に立ってたら驚くだろうか?彼らには私のことが見えるだろうか?そう思いながら彼らを迎えるように玄関口に立ってみた。車から降りて入って来た二人の若い男は、やはり沙織の姿を見ることはなかった。ここは何処?俺もよく知
[次のページ]
戻る   Point(2)