誰も思い出さないその雨のことを/ホロウ・シカエルボク
の人形のようにゆっくりと上体を起こして、この朝のことに思いを巡らせる、そこにぶら下がってくる一日がどんなものであったとしても、今朝の夢ほどに饒舌に何かを語ることなど出来はしないだろう―まあそんなの、判り切ってることではあるけれど―ミネラル・ウォーターの柔らかなプラスティックボトルは、いつでもある種のやましさを隠しているみたいに思える、飲み干して、握り潰す、そんな行為を子供のころから止めることが出来ない、澄んだ水を生活の中で欲するなら、ちょっとやそっとじゃ溢れないくらいのダストボックスを用意するべきだ―月に一度の収集の日まで余計なプレッシャーを感じないで済む、それはそれで結構重要な項目だ―そうじゃな
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