宮沢賢治メモ3?「答える」という在り方/石川和広
って、こたえていないわけではないのは
そこで以前より、本なら熟読。
そこで以前より、人には丁寧。
と、つづけて、先立たれたものの倫理が露呈してくるのである。
これは、痛切かつ平凡だが、「喪」を感じさせるのは、何とか生活に戻ろうとして出来ないことが歌われているからだ。
しかし、賢治が初期、「答える」在り方に疑問を持っているのは「春と修羅第一集」の始まりにあらわれている。「屈折率」では
このでこぼこの雪をふみ
向ふの縮れた亜鉛の雲へ
陰気な郵便脚夫のやうに
(またアラッディン、洋燈とり)
急がなければならないのか
急がなければならないの
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